2019-11-11

近況報告(2019/11/11)

もう翌日の朝9時頃にならないと眠れないというどうしようもない状態になっていますが、

子供に風邪をうつされたみたい。やれやれ。

2019-11-09

社会通念に縛られて身動きできないのは誰なんだろう?

こんな経緯があった後に…








夕食を用意し、食後疲れて寝落ちしてしまいました。これ自体はよくあることです。夫は洗い物をしてくれたわけではありません。食洗機を6年前に導入したのですが、いまだに使い方が解せないと言うまま、食洗機のおかげでよほどのことがないかぎり、少なくとも平日の夜は食器洗いは私の固定化された担当になっています。

そんななか、体調不良で病院まで連れて行った息子は「明日学校行けるかも~」と言い出すわけです。見た目無理でしょ?と思いつつ「行けるかも。一応6時に起きる」と。学校が好きなのは喜ばしいことですが、よりによって明日は弁当持参の日。寝ぼけてた私は「学校明日行くならコンビニで昼ご飯買っていってくれない?」と言いつつも、病み上がりだからおむすびぐらいは握ってやったほうがいいだろうな、私だってそうしてあげたいし、と思うわけです。

ともかく明日終日学校があることを、しかも学食がやっていないらしいということを考慮に入れていなかった私の敗北。というわけで、今日もこれから朝まで仕事をして、5時半頃から弁当作って、という形になります。夫は仕事が休みなので、私の仕事場にしている居間10畳の反対の隅のテレビを午前中見ているかもしれませんし。

ああ、今日洗濯するの忘れたなあ。洗濯機も最近新しくなった結果、夫が使い方を覚えてくれなくて週末の午前中私が寝落ちしていても洗濯をやっておいてくれなくなったのです。でも強くは言えない。

なぜなら、そんな夫も近所に住む自分の両親がお年頃なので色々ありまして、週末も以前ほど時間があるわけでもないのです。疲れをとるためにはマッサージ屋さんにも行きたいだろうし、精神的な疲れをとるために趣味にも出かけたい。確かに私が彼の立場ならそうでもしないとやってられないと思います。それに夫も私が夜型のために飛ばしてしまうスーパーへの買い出しだけはかなりまめに行ってくれるのです。だもの、文句言えませんよ。

こういうところが、今時の男女間の収入格差による家事分担格差なのかもしれません。私は引き受ける翻訳書の売上が残念ながらいまひとつですので(いままで改訂版はあっても重版出たことないし)稼げていないわけです。私はいい本ばかりだと思うんですけどね、こればかりはしょうがないんです。となると家事を外注するオプションもありません。そして息子が体調を崩すたびに、もし私が外にお勤めしているのならば、やむなく、かわいそうだと思っても家に息子を置いていって、自分で病院に行ってもらうなりするんだろうなと考えてしまう。あら、外勤め? バイトするにもそれなら昼夜逆転傾向のこのサーカディアンリズムをなんとかするのが先なのではないかとくじけてしまう。4カ月ほど疲れ果てて自宅警備員に専念して、その間健康診断とかいろいろ行きまくりましたが、このサーカディアンリズムだけは治らずじまいでした。

そんななか、郵便受けに入っていたチラシに目がとまるわけです。うちから自転車で行けば20分ぐらい、徒歩なら1時間もあればじゅうぶん着くところのパチンコ屋の掃除バイト募集です。夜11時から1時間20分、1回2300円というギャラに一瞬食指が動かされてしまう。でもすぐさま、以前ママ友さんたちと飲んだときに「いまの翻訳業はきっぱりやめて掃除のバイトとかいいと思うんだけどな」と思わずぽろっと漏らしてしまったら「掃除の仕事もあれ侮れないのよ」と極めれば国家資格?とかもとれるらしく、要するに甘ったれてる私には無理だと半分示唆されたことを思い出しました。そしてとりあえず、冷蔵庫にあったキリンのハードシードルを口を開けて、飲みながらこんな文章書いてるわけです。あれ?仕事は?いえいえウォーミングアップですよ。

ちなみに私は母の謎の人脈で、大学を卒業する年、母の上位にいるとかいうなんとかディストリビューターさんの親戚の親戚がやっているパチスロ屋の景品交換所のバイトをしていたことがあります。ですので、一応業界経験者ではあります。

その頃実家はかなり傾いていたのですが、母はアムウェイ商品に金をつぎ込み、私はのんびり学業楽しんでたらバブルがはじけて就職氷河期になってしまって、とにかく就職ができない。一次面接に通過しない。なので、このままこの景品交換所のバイトをするのが一番自分に合ってて、収入も見込めるんじゃないかと思ったほどだったのですが、すでにそのパチスロ屋さん、大規模再開発で潰される予定だったので諦めました。(そのバイトの話もなかなか面白いので、いつか機会があったら。)今にして思うと、私の華麗なるキャリアの初期を飾った仕事でもありました。

母は結局ネットワークビジネスには向いていなかったらしく、その後、大波小波どころか大波ばかりやってくるといった苦労を重ねた末に今はネット株取引で落ち着いています。
ああ、今は株価上がっているんですかね? そして私はこうしてまっとうな仕事につかないままです。パチスロ屋のバイトを夜にやりながら、私は今の夫に聞いてみたことがあります。「どうして私は就職活動うまくいかないのかな。地方公務員試験だって筆記はうかるのに面接で落とされるなんてショックだ」とぼやいたところ、はっきりと言われました。

「サラリーマン家庭に育った女子にあるような安心感が全く感じられない」

そう、私は「サラリーマン家庭で育った女子からはどうも漂うらしい安心感がまったく感じられないような女子」としての人生を今に至るまで送り続けてきました。

けれども結局、女子だからこそなんとかなってきたところは絶対にあったと思うんです。もし私が男に生まれていたなら(両親も含めて家族のなかで唯一大学に進学したのは私だけですので、世の中うまくいかないと言われたものです)四年制の大学まで行かせてもらった以上(しかも私は途中、「私の結婚資金を貯めてやってる」と言ってた祖父母からその金をもらって休学してフランスに行っています)、定職に就かなきゃ、でもうまくいかない、というプレッシャーを抱えたまま引きこもりになっていたかもしれません。

今年、私立小学校に通うためにスクールバス待ちしていた子供たちのなかに引きこもり男性が入っていって切りつけた事件がありましたよね。あの自殺してしまった容疑者の割と生活圏内って言ってもいいでしょうかね、私のあのバイト先もありました。容疑者と私はだいたい同年代かな。どこからどう見ても不幸な事件で、しかも亡くなった方までいて、なんだか胸が痛くなったことも思い出します。

つまるところ、よほど変な社会通念に縛られているのは男性のほうではないのかなと思うのはそこなんです。自分のほうが収入が高いんだし、生活費受け持っているのだから、収入度外視で仕事をつい受けてしまう妻がうっかり寝落ちしても皿は洗わない、家庭内パラサイトを甘やかしてはいけない、とかね。

でも、事実そうした金銭的サポートをする夫は呆れつつも、私の生き方を認めてくれたからこそ、私は面白いかもと思えるフランス語の本にこの15年間多々巡り会えてきたわけです(とはいえ、やっぱりあのビジネスモデルはこのままだとダメなんじゃないかなと思いますけど……)。なので夫の根本的な寛大さに私は救われてきたと思いますので、皿洗いはすませましたよ。