2012-05-16

たまには音楽を聴いてみるのも



エスペランサの演奏は随分前から聴いています。駆け出しの頃からデビッド・レターマンの番組では取り上げてもらっていたようです。
去年、彼女がちょうどグラミー賞新人賞を取る前に注目を浴びて、本国のさまざまなテレビ番組で演奏したときも、レターマンの番組ではちょっとマニアックなアレンジの曲を採り上げていました。レターマンさん、すっかり感心した様子がなかかなか面白かったのを思い出します。




テリ・リン・キャリントンは私も大好きなドラマーです。おととし、女性ジャズミュージシャンだけで構成した「モザイク・プロジェクト」という企画もののリーダーとして、東京ジャズやブルーノート東京で演奏しています。ブルーノートのライブは見に行きました。エスペランサも参加していました。久しぶりに見た生演奏、楽しかったなあ……と今でもあの余韻が脳裏によみがえります。


そして今年も3月に新しいアルバムが出た際、またゲストに呼ばれて演奏したようです。他の番組ではもうちょっとポップな感じの曲をやっているのに、ここではコテコテのエスペランサ節、あの特徴あるハーモニーをごりごり押し出した曲を聴くことができます。




レターマンさん、お気に召しましたでしょうか?

そしてこのアルバムのツアーの一環で、今年の東京ジャズに出るそうです。できれば行きたい。



2012-05-14

久しぶりの小説

久しぶりに小説の翻訳に携わりました。この作品です。


http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/211859.html 死せる獣―殺人捜査課シモンスン―
ロデ&セーアン・ハマ著『死せる獣―殺人捜査課シモンスン―』早川書房











デンマーク語のオリジナルから訳されたフランス語版からの重訳になります。

さて、図書館のサイトで〝デンマーク〟をキーワードに本を検索すると、この国のすばらしさについて述べられた書籍ばかりひっかかります。福祉制度しかり、教育制度しかり。〝世界一幸福な国〟とまで形容されています。それは事実なのでしょう。

翻ってこの本を読んでみますと、そうした幸せな社会のB面が見えてくるような気がします。何ともいえない閉塞感があるのです。老人ホームに勤める看護師の女性、結婚のために一度学業をやめて家庭に入ったけれども夫に先立たれてから復学し講師にまでなった女性、子どもを出産し育児しながら勉強しやっとの思いで医師になった女性(でも同業で自分よりも地位の高い夫は育児や家事を妻にまかせてばかり)なども登場します。そして本書のテーマの中核を成す小児性愛問題……。そうした視点から読んでみるのも面白いと思います。

私にとって新鮮だったのは、デンマークでは観戦スポーツとしてハンドボールが人気だということです。知りませんでした。デンマークってハンドボール発祥の地なのだそうです。