2012-11-09

しかけ絵本 第2弾

昨年発売された『さわれる まなべる みぢかな どうぶつ』

"Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. ": お手頃価格の しかけえほんが できました

このたび第2弾として『さわれる まなべる やせいの どうぶつ』が同じくパイ・インターナショナルから出版されます。

http://www.piebooks.com/search/detail.php?ID=4282


こちらもとてもかわいい。書店で見かけましたら、是非お手にとってみてくださいますよう、よろしくお願いします!

2012-10-13

今日が公開日

待ちに待ったペトルチアーニの映画が今日公開されたようです。
出来るだけ早く、都合をつけて観に行きたい!

『情熱のピアニズム』のオフィシャルサイトでライブレポートを募集していたことを思いだし、応募しようとしたら締切ぎりぎりに。きちんと読み返すと文章のつながりが悪いところなどありまして恥ずかしいものもあるのですが、掲載して下さいましてありがとうございます。

ハンドル名は同じくRKMのレポートです。

 
ペトルチアーニが亡くなった当時、私はアメリカの地方都市に住んでいました。記録によると、その間残念ながらペトルチアーニは、アメリカではバークリーのワークショップでしか演奏していなかったようなんですね。生前最後の演奏は、バチカンでのクリスマスコンサートでのソロだったそうです。
 



2012-09-02

ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー

昔、好きだったジャズ・ピアニストの映画が10月に東京で公開されるそうです。何が何でも見に行きたい! 

http://pianism-movie.com/index.php


彼の生前の演奏を何回か聴きに行っています。後にCD化されたライブもありました。





夏の夜の地中海を背景した舞台に杖をつきながら上がって、ソロでデューク・エリントンの曲を弾いていた様子は、今でも目と耳に焼き付いています。とにかく美しかった。


生きていれば今年50歳だったということ。彼は今でも私のアイドルです。


ミシェル・ペトルチアーニ検定

私も受けてみました。こう言ってはなんですけど楽勝! 


この検定に挑戦する

            

2012-08-20

幸運のスギの枝

20代の頃、一人で長距離バスに乗ってあちこちスペインを旅行していたときのこと。どこの町だったか記憶にないのですが、ロマの女の子が「グッド・ラック! これあげます」といってスギの小枝を私に差し出しました。その子の笑みに負けてうっかり「ありがとう」と言って手にしてしまったら、お金請求されて…そりゃそうです。日本円にして300円ぐらいだったでしょうか。気がついたら周りをロマの子供たちに取り囲まれて、もうこれはうっかりしていた私が悪いのだし、金を払えば済むのならそれでいいかなと思って払いました。まさか律儀にお金を払うとは思わなかったのでしょうね。すごく喜んで「ありがとう。これは本物よ。効き目があるから」というようなことを私にしきりに言っていたように思います。もちろんそんな戯言は聞き流して、コートのポケットにつっこんでそれっきりすっかり忘れていました。

それから数日後、ダリ美術館の見物も終えて、あとは電車にのればそのまま国境を越えてフランスに帰れる、と思いながらフィゲーラスの町を歩いていました。前の方の広場では大きな木の切りたおし作業をやっています。作業中のおじさんたちが「イスキエルダ」という言葉を私に向かって繰り返していました。私としては、スペイン語は第2外国語で2年間履修していましたし、スペインの滞在も10日近く経ち、女の一人旅でものすごく感覚が研ぎ澄まされていたせいか、言われてることの半分ぐらいはわかるようになっていたようで、必要最低限のコミュニケーションもそれなりにはとれていたんですよね。

…で、私は、わかった、という顔をして 右 に寄りました。その瞬間、頭の上に何かがどさっと落ちてきました。気がついたら足元は公園の切り倒した大木のうっそうとした枝葉に沈んでいます。おじさんたちは真っ青になって私に駆け寄ってきました。「左側のほうを歩いて」とあれほど注意したのに。でも、私にはかすり傷ひとつありません。すぐ目の前に倒れた大木の太い幹を見てはじめて、もしかしたら自分に直撃していたかもしれないと思い、足が震え出しました。

とにかく恥ずかしくて「大丈夫です。ごめんなさい」と答えてその場を退散しました。そして駅まで歩いて、ふとポケットに手を入れたら…何が出てきたかはおわかりですよね。あの女の子が言ってたことは嘘ではなかったわけです。

ブカレストで殺されてしまったお嬢さんのニュースを聞いて、ひどく心が痛みます。どんなに気を張り詰めていても、ふとした隙は誰にでもあるものです。でも、もしだまされるのならば、スギの小枝にだまされればよかったのに…と。

2012-05-16

たまには音楽を聴いてみるのも



エスペランサの演奏は随分前から聴いています。駆け出しの頃からデビッド・レターマンの番組では取り上げてもらっていたようです。
去年、彼女がちょうどグラミー賞新人賞を取る前に注目を浴びて、本国のさまざまなテレビ番組で演奏したときも、レターマンの番組ではちょっとマニアックなアレンジの曲を採り上げていました。レターマンさん、すっかり感心した様子がなかかなか面白かったのを思い出します。




テリ・リン・キャリントンは私も大好きなドラマーです。おととし、女性ジャズミュージシャンだけで構成した「モザイク・プロジェクト」という企画もののリーダーとして、東京ジャズやブルーノート東京で演奏しています。ブルーノートのライブは見に行きました。エスペランサも参加していました。久しぶりに見た生演奏、楽しかったなあ……と今でもあの余韻が脳裏によみがえります。


そして今年も3月に新しいアルバムが出た際、またゲストに呼ばれて演奏したようです。他の番組ではもうちょっとポップな感じの曲をやっているのに、ここではコテコテのエスペランサ節、あの特徴あるハーモニーをごりごり押し出した曲を聴くことができます。




レターマンさん、お気に召しましたでしょうか?

そしてこのアルバムのツアーの一環で、今年の東京ジャズに出るそうです。できれば行きたい。



2012-05-14

久しぶりの小説

久しぶりに小説の翻訳に携わりました。この作品です。


http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/211859.html 死せる獣―殺人捜査課シモンスン―
ロデ&セーアン・ハマ著『死せる獣―殺人捜査課シモンスン―』早川書房











デンマーク語のオリジナルから訳されたフランス語版からの重訳になります。

さて、図書館のサイトで〝デンマーク〟をキーワードに本を検索すると、この国のすばらしさについて述べられた書籍ばかりひっかかります。福祉制度しかり、教育制度しかり。〝世界一幸福な国〟とまで形容されています。それは事実なのでしょう。

翻ってこの本を読んでみますと、そうした幸せな社会のB面が見えてくるような気がします。何ともいえない閉塞感があるのです。老人ホームに勤める看護師の女性、結婚のために一度学業をやめて家庭に入ったけれども夫に先立たれてから復学し講師にまでなった女性、子どもを出産し育児しながら勉強しやっとの思いで医師になった女性(でも同業で自分よりも地位の高い夫は育児や家事を妻にまかせてばかり)なども登場します。そして本書のテーマの中核を成す小児性愛問題……。そうした視点から読んでみるのも面白いと思います。

私にとって新鮮だったのは、デンマークでは観戦スポーツとしてハンドボールが人気だということです。知りませんでした。デンマークってハンドボール発祥の地なのだそうです。




2012-04-12

ワインのアロマガイド

先月発売されました、ワインのアロマについての本のご紹介です。

http://www.harashobo.co.jp/new/shinkan.cgi?mode=1&isbn=04752-9
原書房/ワインを楽しむ58のアロマガイド
















何かの匂いを言葉で説明しようとする場合、2通りの方法しかないそうです。匂いの成分を表わす化学式や分子の名前で表現する、あるいはアナロジーで表現する、つまり「そうねえ、この匂いはスミレの花の香りに似ているわねえ…」 と、何か誰もが知っている(と思われる)別の匂いを引き合いに出して説明する、この2つです。

この本の特徴は、58種類のアロマ(香り)ごとに項目が分けられている点だと思います。

見開き2ページごとにアロマが1種類ずつ紹介されています。最初の項はそのアロマの性質を客観的に説明したもの。芳香分子がどのように作用して匂いを放つかの説明です(アロマの特徴)。次の項は、そのアロマを発する物質は何であるか、どこでどんなふうに生育しているものなのか、どこでその香りを嗅ぐことができるのかといった解説(自然からの発見)。それから最後の項には、どのような種類のワイン、どのような銘柄にそのアロマが現れるのかが例示されています(ワインからの発見)。コンパクトに必要な情報がまとまっているので、香りの勉強をするのに適しているのではないでしょうか。

こういう写真入りのガイドブックは往々にして翻訳版を作る際に字数制限があります。編集上、原文で見開き2ページの内容をそのまま日本語版の見開き2ページにおさめるケースが多いからです。これまで、こういう条件の仕事はいくつか経験してきましたが、不思議なことに、参考書、ガイドブックの場合、字数を意識しないまま訳してしまうと日本語のほうが字数が多くなるようなのです。本書の場合、原書に列挙されたワインの銘柄はどれ一つとして外すわけにはいきませんので、翻訳はもとより、ゲラ直しの時点でも端的な文章に収めるのに苦心しました。原文からいかにその内容をもれなく抽出するか――たとえば字幕翻訳をされている方々のご苦労がほんの少しであってもわかった気がいたします。そうした苦労や日本語になったときの違和感を感じさせない文章にする、それが今後も続く私の課題かなと思っております。
それでも原書にあった情報はすべて載せてありますので、ご安心してお読みいただければ幸いです。



ワインを楽しむ58のアロマガイド