2022-08-24

トイレのなか、みせてみせて!

実はつい最近まで私はまったく知らなかったのですが、重版にもなっていて、気がついたらAmazonでも587件の評価がついているという「おむつのなか、みせてみせて!」のねずみくんシリーズの新作の日本語訳が8月19日に出版されました。

今回、ねずみくんは少し成長したので「おむつのなか」のときほど強引にうんちを見ようとしているわけではないところが面白かったです。「お願い」するんですね。 


絵本の仕事はわりと好きな部類にはいります。
とくにわが子がこうした絵本を読む世代だったころは、お受けするたびにうれしかったことを思い出します。私なりに語調ができるだけと整うように考えたり、やっぱり読みやすいのは七五調よね、などと工夫したり。必ずしも最終的に採用されるとはかぎらないとはいえ。

しかもこのシリーズの場合、とくに前作はすばらしい既訳もあり、また一応オリジナルのオランダ語版も確認するようにはしているとはいえ英語からの重訳という特殊な仕事ではあることからも、パイ・インターナショナルの編集者さんと色々相談して訳語や語調を決めるようにしています。そして私自身、もう小さなお子様と接する機会がめっきり減ってしまったためか、どの程度の理解力を想定すべきなのかとか色々疎くなってしまい、一つの文にいくつか候補を挙げながら、はたしてどれが適切だろうか、別の視点からのご意見を求めたりしました。

それが翻訳者としての正しい仕事の仕方かどうかは意見がわかれるかもしれません。ですが、ひとりよがりにならず、初心に返ることができたという意味では、今回の「トイレのなか」も忘れられないお仕事のひとつになりました。

お子様といっしょにまた楽しんでいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。