2013-05-26

食わず嫌い

苦手な食べものって2通りあると思います。

ああいう味なんじゃないかな…とわかっていて食わず嫌いで、それでも実際に食べてみたらやっぱり味が苦手で、苦手意識が固定化されてしまった場合と、
食べ方がめんどうだったり、その一方で手づかみで食べるとか、いや食べてはいけないとかマナー的な意味で苦手の場合。

後者の意味で敬遠してしまう食べものもありますが、やっぱり私の場合、情けないことに前者の場合が多く、会食の場合、かなり苦労します。
でも1度だけ、苦手だったものが意外とおいしかった…ということがありました。

久しぶりに昔の友人に会うのに、新居に伺ったことがありました。 ご主人がとても料理好きの方で、その日の朝に、わざわざ市場で新鮮なあるものを買いに行って、私にご馳走してくださったのです。

なまじフランス語をやっていたりすると、当然フランスの食文化も気に入っているはずで、だから当然嫌いなわけないだろうと思われてしまう食べものかもしれません。
出されたとき、これは大ピンチだと、後にも先にもこれほど追い込まれたことはありませんでした。

カキです。カキにチーズを載せてオーブン焼きにしたものと、生ガキ。

子どもの頃カキフライを食べたときに、そのまずさに倒れそうになって以来、カキだけでなく、 貝類全般に苦手意識をもってしまってどうしても食べられなかったのです。

「カキは食べられないんです」と言ってしまおうか、いや、でももう絶対にそんなこと切り出せない雰囲気…。

躊躇していると、友人もご主人も、食べる方法を気にしているのかと思ってくれたのか、 こうやると食べやすいよねなどと、さりげなく教えてくれました。

ここまで来ると、もう食べるしかない、それもできるだけ感じよく…と、一瞬息を止めて生ガキを口にいれたところ、それはもうおいしかったのです。 カキフライを食べたときのあの嫌な後味がまったくなく。

やはり鮮度って大事だなとか、いい素材のものってそれだけでおいしいんだな、と実感しました。
私は偏食で小食ということもあって、「おいしい」と思うことがそれほど多くないのですが、あのときご馳走になったカキは「ほんとおいしいなあ」と思えた数少ない経験です。

あまりにもおいしくて、結局、その後、カキフライは再び食べられなくなってしまいました。
たぶんあのときほど新鮮なものではないんだろうな、と思ってしまうのです。

子どもに初めて食べさせるものはいいものであるべき、というのは当たっているかもしれません。 今でも初めて食べたカキフライの呪縛にとらわれていますしね。

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